プロはプロを知る

清瀬駅南口ふれあいロード夏まつり
8月1日(土)は清瀬駅南口ふれあいロード夏まつり。8連共演。
250メートルの1直線の細い通りを3本流した。
細いので、いつもの流し構成はできない。
もう臨機応変。1本ずつ、「暴れほおずき」をやろう、とか「だるまさんがころんだ」を入れようとか、最小限の課題を絞って、あとは自由に流した。


そして高張提灯への挑戦があった。
いつも高張提灯を担当する連長が不参加だったため、大太鼓4人のうちの3人が流し1本ずつ交替で高張を担当した。高張を大きく振り回す人がいたり、ずんずんと突き上げる人がいたり、3人3様で個性的だった。
先頭で鳴り物を聞く体験も新鮮だったという。鳴り物はこう聞こえるのか、というかこんなに聞こえないのか、と思い知ったという。


共演したほかの連との交流も楽しかった。
鳴り物の新展開にいかせるインスピレーションを、いろいろな連が得ることができた。


★しょうぶ苑の納涼祭
8月2日(日)は春日部の老人ホーム「しょうぶ苑」の納涼祭。
田んぼの真ん中にぽつんとある風情から、孤立した施設かと、最初失礼ながら想像したが、開会宣言から一転、お客さんがたくさん集まり、たいへん賑やかで開放的なお祭りが展開したのである。
中庭を囲んで口の字型に建てられた施設の中をぐるりと流したり、盆踊りや組み踊りをやったりした。


誘わなくても、どんどん飛び入り参加するノリのいい職員たち。ヤマちゃんが女踊りに絡みたがり追い出される、という演出があったが、飛び入りさんたちの勢いに紛れて全然目立たなかった。


最後は中庭で、大勢のお客さんを巻き込んでの乱舞。
中庭は周りの壁の反響の効果で、鳴り物が妙にきれいに響いていた。太鼓の調和がすごくよく聞き取れて気分よかった。
ついに終了!と思ったらなんとアンコールの声! 最高の盛り上がりを迎えてとうとう本当のエンディングとなった。


これで7月頭からの怒濤の6本の本番がいったん区切りとなった。
疲労も蓄積したけれど、体の底のほうに力とか自信とかが固まってきたような気がする。
いろいろな問題を乗り越えて、連の結束も一段と強まった。


次は高円寺だ。


そうそう、模擬店用の50円の食券6枚つづりがメンバー全員に配られたので、出番までに食べる事になったのだが、驚いたのが安さ。焼きそばでもうどんでも焼き鳥でも、どれも1食50円なのだった。それを6品食べろというのだ。
僕は、偶然近くに大学時代の友達が住んでいることを知って事前に呼んでいたので、彼に3点分の食券をあげて切り抜けた。
ほかの人は本番前に食べ過ぎたのではないか、と心配した。それほどの安さだった。まさか春日部は貨幣価値が違うのか?(笑)


ふと気がつくと、それらの模擬店の一角で、ほおずき連の締太鼓のお姉様がビールサーバーで生ビールをコップに注いでいた。
あれ? お姉様、実はこの施設の関係者だったの? と聞いてみたら、
「泡をこぼしてひどい注ぎ方をしていたので、見ていられなくなって買って出たのよ」と、完璧な配分の泡が載った生ビールを手早くこしらえなが答えるのであった。
隣で若い男性が「はい。たいへん助かります」と恐縮していた。見ていられないような注ぎ方をしていた張本人らしい。
また別の男性は「私バーテンダー経験があるのですが、ああ、この方はプロだなと、一目でわかりました」とつくづくと感嘆していた。
プロはプロを知るとはこのことか。
(じつに)