あの初心者なんですけど


吉川なまずの里マラソンに備えて、まともなシューズを手に入れたいと思っていたところです。
スポーツショップに入り、壁一面に陳列されるランニングシューズを眺めました。
初心者用、中級者用、上級者用に分かれていて、初心者用はトレーニング用シューズがいいとか書いてありました。
てことはこの初心者用のあたりから選べばいいんだろうとは思うのだが、種類が多すぎて、途方に暮れます。
そこで店員さんに声をかけました。
「あの初心者なんですけど」

★採寸
「採寸します」
ベンチに座らされて、靴を脱いで、採寸専用の器具に足を載せた。右足25.5cm、左足25.7cm。へえ、左右で違うんだ。甲の高さも測っていた。
「標準的な足の形なので、履けるシューズはたくさんありますよ」
とうれしい宣告。
「立ってください」と言われて起立。店員さんが一歩離れて脚を観察。
「左の脚はまっすぐですが、右の脚は若干外に曲がっていますね。そのせいで踵の着地がぶれると膝に負担が来ます」
棚からシューズを取り、底の側を見せた。中央部、踵の部分と前の部分の間を指さしながらこう言った。
「この前後のつなぎ目がしっかりした素材で作られているシューズで、着地のぶれを防ぐのがいいと思いますよ」

★試し履き
「まず踵をとんとんと床に叩いてしっかり押し込んでください」
言われたようにしたら、ぎゅっとひもを結んでくれた。両足とも履いて立ち上がった。
「歩いてみてください」
店内のそこらじゅうを歩いて回った。
「どうですか?」
「いい感じですね」
でも店員は納得しない。僕の左足のつま先を指で押して、首をかしげる
「2ミリ大きい左足は、走っているときにつま先が触って、爪が内出血を起こす可能性がありますね」
そう言って奥に引っ込んで、別の箱を持ってきた。
「ワンサイズ上のを試してください」
同じような踵からの手順で履かせてもらい、そこらじゅうを歩き回った。
「いい感じですね」
「そうですか!」
これで決定だな! でも‥‥。
「でも強いて言えば‥‥」
ふと思いついたことを口に出してしまった。
「強いて言えば?」
「甲の付近がちょっとゆるいような気がしないでもないような‥‥」
店員さんが顔が曇った。「ちょっと待ってください」と奥に走った。箱を持って戻って来た。
「やや細めのタイプです」
試し履きして歩き回って、これでOKと思った。

★中敷き
これでOKと伝えたが、店員さんは粘る。
「土踏まずがやや落ちています」
裸足で立ったときにチェックしていたのだった。
「土踏まずは走りにとって重要な筋肉です。疲労すると足が反り気味になって不安定になり、脚部の故障を招くことになりかねないんですよ」
そこで中敷きを勧められた。土踏まずを押し上げて、土踏まずの機能を助けるタイプのものだという。
試し履きして購入を決めた。
それから店員さんは時間をくれと言った。中敷きぴったり合わせるためにハサミで切るんですね。
その間にコンビニにお金を下ろしに行った。中敷きって4000円もするんですね!

★試走
雨が降り続く毎日。なかなか本格的に走れませんが、ちょこっとだけ走った感じでは、想像よりも堅い感触でした。地面の反発が感じられます。踵ががっちり押さえられて全くぶれません。たのもしいです。
近いうちに20キロ走ってみたいです。
(じつに)