新しい太鼓が来た

新しい太鼓が来ました。
写真の手前が新しい太鼓。
ちょっと小さいです。
担ぐとだいぶ軽いです。

叩くとちょっと高めで、かなり大きい音が出ます。
堅い響きでやかましいです。(笑)
踊り手もうるさくて踊りにくいと言ってました。
叩き込んで皮が馴染むともっといい響きになる、と会長。
Hさんが、猛烈に叩き込みました。


さて、僕が使っているバチです。
握る部分から先端に向かって太くなっています。
これは、太鼓クラブでの演目、「秩父屋台囃子」で使われるバチなのです。

秩父屋台囃子とは、秩父夜祭りという冬の祭りで奏でられる太鼓です。
太鼓を床に横向きに置き、叩き手が太鼓に向き合って両足で太鼓を挟んで座ったまま叩く、という独特な姿勢が特徴です。狭い屋台の中で叩かなければならないという条件の中で生まれた姿勢なのでしょうか。


世の中の多くの太鼓は、やぐらに乗せられたり床に垂直に置かれたりしていて、立って叩きます。足を踏ん張って、バチに体重を乗せるように、力を込めて叩くことができます。飛び上がってバチを振り下ろすことだってできます。


しかし、秩父屋台囃子の場合は、座った目の前に太鼓があるので、バチに体重を乗せることができません。なにしろ太鼓が近すぎます。


そこで、少しでも大きく腕を振り、強く叩くために、目の前の太鼓から体を遠ざけようとします。
つまり、座ったまま、のけぞります。
背中が床につきそうなほどのけぞり、腕を頭の上を越して後ろまで振り上げて、太鼓を叩きます。
叩き続けると、腹筋が痙攣しそうになります。それでも歯を食いしばって叩き続けます。
座って叩いているというのに迫力があり、人気のある演目です。


その腕の振りの遠心力を少しでも確実にバチの先端に伝えるために、バチの先端が太くなっているのだろうと、僕は想像しました。


阿波踊りのように太鼓を担いでいる場合も、叩き手は太鼓から離れることができないという秩父屋台囃子と似た状況が起こっていると思います。
そこで、腕を大きく振り手首を鋭くひねって、バチの先端のスピードを上げ、太鼓の面に強く衝突させようとしています。
さらにバチも先端の太い、秩父屋台囃子用のものを選んでみたのです。
細いバチよりも重い音がします。
(じつに)