ベストの踊りを継続すること

鬼と狐

高円寺阿波おどりが終わりました。土日とも雨になってしまったけれど、いやいや観客はたくさん押し寄せていたし、踊り手たちも熱く飛び跳ねていましたよ。雨で冷やされてちょうどいいくらい(笑)。
全力を出し切ってくれた連員さんたち、お疲れ様でした。
ゲスト参加してくれたパレアナ連さん、三味線のやすみさんありがとうございました。


★23日土曜日
3時に高円寺中学校に到着して準備。雨が降ってきた。ビニールを高張提灯や太鼓にかぶせた。


5時過ぎに高張提灯と数名が演舞場に向かって出発。続いて僕や子供たちも出発。ひがし演舞場で待機。6時。天水連で2008年高円寺阿波おどりスタート。


しばらく待つうちにうちの前、華純連がスタート。大太鼓が9基。1回では覚えきれない長いフレーズ。それがぴたっと一致して迫力が生まれる。フレーズを盗もうと思って一生懸命聞いた。
うちのリズムパターンももっと多彩にしてみせる、と決意した。


いよいようちのスタート。イントロの鉦がずれたような気がしてあせった。スタート後はなかなかいい感じ。提灯の構成もいい。その前方の女踊りもきれいに跳ねてる。「暴れほおずき」は自分なので見えないからわからない。相棒のAくんの大太鼓がお客さんに受けてるのがわかった。


「だるまさんが転んだ」は1拍子への切り替えが遅れた。


純情商店街は細いので暴れは自粛。駅前広場では提灯構成をやると思ったら「だるころ」で来た。おいおいエース三味線奏者は静止しないのか(笑)。


パルへ移動。高張担当の連長がいなくなったと思ったら、息子さんのトイレに付き添ったのだった。雨で冷えてトイレはどこも渋滞。いつも子供のトイレは課題だ。なるべく演技者ではない大人がついて行ってあげらるようにしなくては。


パルは相変わらず長かったが、なんとかスタミナ切れを起こさずに叩き続けられた。パルの観客、去年よりやや少ない? まあ雨だから。


おかめのお面をかぶったおかめさん、その所作のあまりの可憐さにびっくり!
一方、鬼のお面のキラさん。だるまさんが転んだのときの鬼が憑依したような怖い身振りがすごい。見物の子供が泣くんじゃないだろうかと思った。
もうひとり狐のお面も登場したし、異形の連だよ、ほおずき連は(笑)。


桃園演舞場では7つか8つの連が待機していた。延々と待ってやっと自分たちの番だと思ったら、別の連(うちの次の次の次あたりの連)が横に出てきて並んだ。誰からも(その連からも)なんの説明もないため、何?何?どうしたの?と混乱したまま同時にスタートした。


ちなみに去年は時間が終わりかけになったとき、次の連の方からいっしょに踊らせてくださいと申し入れがあって一緒にスタートした。鳴り物同士もコラボみたいになって楽しかった。


あと5分ぐらいなったら、流しがストップして輪になるのが常道。うちは照明と照明の谷間の暗いところで輪になってしまった。終わり方も課題だ。鳴り物のエンディングテーマみたいなのも必要だと思った。
というわけで土曜日に回った演舞場は3本と半端な4本目だけ。ものすごく欲求不満だ。


★24日日曜日
3時に着いた高円寺中学校はかなりの雨だった。
エース三味線奏者が友達を連れてきた。太鼓に興味があるというので叩いてみればと言ったらやるという返事。予備の太鼓や衣装があったので、その場で手ほどきして、いきなり高円寺デビューさせてしまった!


女踊りの着替えが遅れ、スタート地点間に合わなかった。結局女踊りや会長不在のままスタートになった。ものすごくさびしげで恥ずかしいほおずき連をさらしてしまった。遅れた人たちとは次の演舞場上で合流できた。


中央演舞場で一番の演舞が披露できたと思う。きちんと踊るところは踊り、暴れるところではカオスも生まれた。
うしろの華純連がスタートすると音がここまで届いたが、うちの鉦がしっかりテンポをキープしていたので安心して自分たちのリズムを叩き続けることができた。


エース三味線奏者は裸足だった。雪駄はすべるからと。
「この人裸足〜!」と、そっちの部分でうけていたとか。
あとしょっちゅう右手や左手を突き上げて「ロケンロー」していた。つまり弾いてない(笑)。
一方、ゲスト三味線奏者のやすみさんはミニアンプを腰につけて、ディストーションの効いた三味線を掻き鳴らしていた。
二人で縦横無尽に駆け回っていた。このツイン三味線はほおずき連の飛び道具だなと思った。


ひがし演舞場を経て、純情演舞場前でまた待ち。終了時間直前にいくつかうしろの連が前に出てきて、うちの前の連とコラボの協定。これまた事態が把握できない……。
どんどん行けとの係員の指示にしたがって、前のコラボ連がまだイントロ状態のところへ半ば乱入するような形で前に出て行った。
2日目は6本踊れた。


鳴り物を振り返ってみて、大太鼓の位置がばらけがちになったのはよくないように感じた。
前の方が聞こえないから誰か前で叩けばいいという声もあったが、太鼓は固まってこそ生きる。見物人からしたら、華麗な女踊りグループが通過するのを楽しみ、力強い提灯グループが通過するのを楽しみ、そのあとに通過する太鼓群の迫力を楽しむのだ。基本は固まり。ときどき散るのがいい。


ビデオ撮影してくれた「が」さんから撮影した素材をもらった。楽しく見直すことができた。去年より確実によくなっている。
とくに女踊りチームのみんなが、どの場面でも常にきれいにそろって跳ねながら、繰り返し練習した構成をやり続けていることに感動した。しかも明るい笑顔を絶やさない。
観客にとってみれば、ほおずき連と出会うのは、目の前を通過したその一瞬だけ。だからベストの踊りを継続しなくてはいけないのだ。
(じつに)