「しなり」「ゆらぎ」「回転」

林英哲
ミュージック・マガジン』の2月号に、和太鼓奏者林英哲のインタビューが載っていました。
25年のキャリアを集大成するCD+DVDのボックスセットが発売されたことがきっかけらしいです。


興味深いことが語られていましたよ。

最初は、プロはこういう風に打ちますっていうお手本がない分野だったので、音楽的な面だけではなく、どうすれば疲れないかというのもありました。肉体を酷使しますから。

ちょっと驚きました。
疲れないように鍛える、という方向に推し進めてきたのかと思った。
むしろ効率を重視したんですね。

自然に身体を使っていれば、美しいものに見えないかということも考えていました。オリンピックの決勝に残るような陸上の選手は、みんなフォームは違うけれど、かっこいいじゃないですか。

和太鼓の世界では、音そのものと同等に叩く姿勢が重視されます。


ほおずき連の会長は「太鼓はかっこよく叩け」と強調します。
音よりも見た目のほうが大事だと言い切ることもありました。
ただし、かっこよくて美しい形の叩き方を極めると、太鼓はいい音を出すようになるんですよ。


その一方で、僕が所属する太鼓クラブの先輩は音を重視します。
もっといい音、もっと大きい音を追求することが本道であり、いい音が出せるような姿勢や撥さばきが結果的にかっこいいのだ、という説。
実際、その先輩が叩く姿は抜群にかっこいいです。
林英哲のスポーツにたとえた言葉は、先輩の意見に近いかもしれないです。

身体の軸がぶれないようにすれば疲れない。硬直させるのとは違って、しなり、ゆらぎがあるもの。

それから往復運動ではなくて回転させることで反動を生かすことになるとか、そうやって積み重ねてきた

高円寺の阿波踊りでは、太鼓を叩きながら、最後は気を失うほどの疲労に陥ります。
「しなり」「ゆらぎ」「回転」を意識した叩き方を追求しようと思います。
そのためには林英哲のボックスセットを買うべきかどうか‥‥。



ヤン・リーピン
こないだの阿波踊り練習で、大太鼓のNさんが興奮して語っていたのが「ヤン・リーピンのシャングリラ」。
「コマーシャル見ましたか? すごい太鼓があるみたいですよ」
ヤン・リーピンとは中国の国宝級の女性ダンサーだそうで、彼女が主演、構成、演出するステージが東京であるということです。
紹介動画が見られるのを見つけました。
http://mv-theatrix.eplus2.jp/article/57678788.html
チベット雲南などの中国の少数民族の音楽や舞踊を大々的に取り込んだショー。
太鼓など、まるでアフリカの民族音楽みたいです。すごい迫力。
でもいちばん凄そうなのは、ヤン・リーピン自身のダンスということになりそうですね。
鳥のような機械のような両手の動き、ありゃなんですか!? 人間離れしてます!
(じつに)