ジャズと阿波踊り
ドンコ・ドンコ・ドンコ・ドンコ
という、阿波踊りの特徴となる二拍子のリズムは、付点八分音符と十六分音符を組み合わせたリズムで、学校の音楽の口ずさみ方なら、
タッカ・タッカ・タッカ・タッカ
となります。
跳ねるリズムです。
この跳ねるリズムの代表は、ジャズのフォービートやスイングです。
同じ跳ねるリズムでも、全然違いますね。
ジャズではそのリズムは主にシンバルで刻まれる
タン・タッカ・タン・タッカ
というビートがお馴染みです。
阿波踊りとの大きな違いはアクセントが後ろにあることです。
タンよりもタッカの方が強いんです。
そのために、ジャズを聞いていると揺れるんです。
タン・タッカ・タン・タッカ
タン・タッカ・タン・タッカ
頭が前後に揺れて、足が弾んできます。
映画『スイング・ガールズ』を見た方はわかると思います。
彼女たちが「スイング・スイング・スイング」を演奏したシーンを思い出せばわかると思います。
跳ねるリズムの音楽はレゲエもそうです。
ス・チャッカ・ス・チャッカ
と跳ねます。
アクセントはジャズのように裏の「チャッカ」来るのではなく、そのもっとあとにある、二個目の「ス」に来ます。
そのため、余裕が大きくとれて、ゆったりとした揺れが起こります。
チャッカで背中をちょっと上に伸ばして、「ス」で沈ませるような揺れです。
我らが阿波踊りのリズムは、同じ跳ねるリズムでも全然ちがうノリですよね。
ドンコ・ドンコ・ドンコ・ドンコ
と強く激しいけれど、大地のように安定しているような気がします。
いかがでしょうか。
(じつに)