押入れにびっしり
はじめてほおずき連を訪れたのは去年(2005年)の10月でした。
以前から所属している太鼓クラブの仲間に誘われて、ちょっと練習を見に行ったのです。
5歳の三女を連れて、ガード下の北コミセンに入り、太鼓とカネの音がする会議室に入って行き、
「こんにちは!」とあいさつしたら、会長が驚いて喜んでくれました。
「よく来たね!」
でも不思議です。見回しても鳴り物以外には大人が3人ほど踊っているだけなのでした。
僕がきょろきょろしていたら、会長は察してくれて、
「子供たちはこっちにいるよ」
と、隣の和室に案内してくれました。
しかし、和室はがらんと空っぽでした。
会長は押入れのふすまを思い切ってあけました。
するとけたたましい笑い声や叫び声とともに、びっしり詰まっていた子供たちが解き放たれました。
僕と娘はびっくりしてしまいました。
出てきたのは、小学生から中学生、高校生の女の子たち7、8人ほどと5歳の男の子一人でした。
「まったく、いたずらが好きで押入れ好きな連中だよ」
と会長は笑っていました。
さて全員会議室に集まって、練習再開です。
「ためしに叩いてごらん」
と促され、僕は大太鼓を見よう見まねで叩いてみました。
「うまい!」
「やるじゃん!」
「はじめてと思えない!」
そんな声をかけられて、気分がよくなりました。
「ためしに踊ってごらん」
と5歳の三女も促されて、見よう見まねで踊りました。
「かっわいい!」
「うまい!」
「やるじゃん!」
三女も気分がよくなったようです。
それで僕と娘は入会することにしました。
(じつに)