音楽のディテールに反応するダンス

hoozukiren2008-01-20

JスタSHOW劇場」というダンスイベントを観に、芝浦のライブハウスに行ってきました。
うちの娘2人とほおずき連のメンバーも出演したからなんですけどね。
まあ、半ば義務感で臨んだわけですが、小学生から年配の方までアマチュアのダンサーたち20組の全力の技は見応えたっぷりで、いつしかノリノリで観ているのでありました。


その中でTAKAOさんというダンスインストラクターが振り付けしたグループ2組(The Answer牧場ODORI)が、とくに印象に残りました。
ベースはHIPHOPですが、見る人に何か訴えかけるような大きな意思の感じられるようなダンスなんですよ。
音楽のキーポイントになるようなリズムのフックを逃さずとらえて、ダンスにもジャストでフックを入れる。
ドラムのフィルイン(おかず)と同時に身振りに細かい刻みを入れて変化をつける。
歌詞の特徴的な部分もダンスで反応する。たとえば「パッ♪」という歌詞が来たら、顔と腕振りも「パッ♪」を表現する。
歌が聞こえてくるダンスなんです。
その音楽も数分間の持ち時間内に、何曲もミックスしてつないでドラマチックに展開させていきます。
激しかったりコミカルだったり重かったりを経て、いつの間に感動に持って行かれてしまいます。
選曲がよかった、という声が聞かれました。
でも、ダンスが音楽のよさをよりよく引き出したのです。
また、いい音楽が、表現すべき熱い意思をダンスに与えることができたのです。
相乗効果ってやつですよ。


阿波踊りを思いましたよ。
鳴り物のディテールに敏感に反応する踊り。
踊りのダイナミクスを力強くとらえて表現する鳴り物。
そんな阿波踊りを思いましたよ。
相乗効果ってやつですよ。


結局、TAKAO先生が振り付けした2つのグループは、The Answerは振り付け賞を、牧場ODORI*1は優勝を勝ち取りました!
TAKAO先生、きっと生徒が爆発的に増えますよ! さっそくうちの娘も弟子入りを志願してました。


HIRONAさんというヒューマン・ビートボックスのアーティストがゲスト出演して、超絶技巧のパフォーマンスを披露するコーナーもありました。そりゃもう驚かされました。
ヒューマン・ビートボックスっていうのは、口にマイクを押しつけて、声や唇や舌の音だけでリズムもメロディーも同時に演奏する技です。ヴォイスパーカッションとも言いますね。
歌とパーカッションとベースが一人の口から同時に聞こえてきます。すごく不思議です。
ものすごく細かいドラムの連打も聞こえます。
ターンテーブルをこすって、ノーマルな歌声から早回しの甲高い歌声に変わる様子も、モンゴルのホーミーのような低いしゃがれ声に倍音が乗ったような音も繰り出されます。みんな息をのんで聞き入っていました。*2


いろんな音を出したい! HIRONAさんの技に感動しながら、太鼓野郎の僕は痛切に思いました。
ひとつの大太鼓でも叩き方や叩く場所で音色に変化をつけられます。
でもそれだけじゃ物足りない。
阿波踊りの大太鼓をやるときに、なにかほかの打楽器、シンバルとか小さい太鼓とか鈴とかを、大太鼓にくっつけるなり、からだにくっつけるなりして、とにかくいろんな音を出すってのも試みる価値はあるのではないでしょうか。
どうやってほかの打楽器をくっつければいいのかな、とうんうん考え込んでしまいました。


とまあ、刺激をたっぷり受けてじりじりした夜でありました。
いつかこのJスタのライブに、太鼓をかついで出演するってのもありだろうか‥‥、と帰りの電車で夢想したりもしました。
(じつに)

*1:牧場ODORIは我らがほおずき連の小学生の女踊り、Mちゃんもメンバーとして踊ったグループですよ! おめでとう!

*2:HIRONAさんが所属するチームの「BEATSICK-JP」の動画発見! http://www.youtube.com/watch?v=S-oVdUsM1vc&eurl=http://www.j28studio.net/NEWS/beatbox/hirona.html