攻撃参加する闘莉王

桃園演舞場のスタート地点、カウントダウンが聞こえ、開会した直後、1番手のひょっとこ連の鳴り物が雷鳴みたいに轟いたとき、膝が震えました。やばい。こりゃかなわない・・・・・。

延々と待って、8番目にほおずき連の出番。出方はさっき決めたばかりです。
「イントロは1拍子。鉦の合図で2拍子に切り換えたら、団扇踊りのOさんの『ヤットサー!』とみんなの『ヤットヤット!』で動き出す。あとは適当。いいですね」
ところが、イントロの1拍子でやけくその力任せに叩いてたら、自分を見失いそうになりました。練習ではなんでもない速さなんですけど、腕が強張って攣るかと思いました。

踊り出してから気がつきました。僕はほおずき連の流し踊りの完成形を、このとき初めて見たのかもしれません。広大なスペースをいっぱいに使って踊るんですね。なにしろ23人しかいないから自由自在です。広がったり狭まったり右に行ったり左に行ったり。

大太鼓の相方、Nさんがいきなり最後方から前線に駆け上がって行ったのでびっくりしました。そして膝をついて頭を後ろに思いっきりそらして、太鼓を連打ですよ。イナバウアー? あれもあり!? それなら、と僕も追いかけて向かい合ってのけぞって叩いてみました。ダブル・イナバウアー

演舞場の合間の待機中、そのNさんに「浦和レッズのディフェンス闘莉王が攻撃参加しに行ったきり戻ってこないときを連想しましたよ」と話したら、「光栄です!」だって。(笑)

それからはもうなんだか吹っ切れて、妙に楽しくなってしまって、踊り手たちの間のスペースに進入したり、くるくる回ったり、右へ左へ観客を挑発しに行ったり、腕を振り回してみたり・・・・・。

「女踊りの連凧みたいなフォーメーションっていつのまに練習したんでしょうね」って会長に聞いたら「練習したことないよ」だって。即興ですか!? 大太鼓まで見えないタコ糸で引っ張られて、おっとっと。

いちばんの見せ場、中央演舞場で滑ってこけました。(泣) うけたからいいか。

ほんと楽しかった。燃えた。爆発した。思い出すと胸が熱くなります・・・・・。
(じつに)